TASCAMは、1979年にカセット式の小型のMTRであるTEAC 144を発売、続いてTASCAM 244をリリースしました。手頃な価格のポータブル・レコーダーはさらに進化を遂げ、TASCAM PORTA ONEの登場によって、宅録やモバイル・レコーディングの環境に革命が起こります。
PORTA ONEは、電池駆動に対応し、手頃な価格で手に入るカセット・テープに対応し、バックパックに入れてどこにでも持ち運べる仕様が多くのファンを魅了しました。ブランド公認モデルとして再現されたTASCAM PORTA ONEで、カセットMTR全盛期のサウンドを楽しみましょう。
T-RackS TASCAM PORTA ONEは、オリジナルの操作性はそのままに、ソフトウェアならではの柔軟性で、思い通りの音作りを可能にしています。レコーダーのバイアスやEQの調整、ステレオ・チャンネルの2バンドEQ、使用するカセット・テープの変更などのパラメーターを操作して多彩な効果を得ることができます。また、あらかじめ豊富なプリセットが用意されており、ユーザーが作成したオリジナルのセッティングもプリセットとして保存可能です。
TASCAM PORTA ONEは、現在ローファイなサウンドやクリエイティブな実験、さらにはライブ・パフォーマンスのために使用されることが多いかもしれません。しかし、通常の使用でも、暖かみのあるクリアなサウンドは当時も今も人気があり、「PORTA ONEの音」として多くのファンから支持されています。
アナログ・テープ・レコーダーは複雑な仕組みを持ったシステムです。この魔法のシステムは、オーディオ素材に音楽的な付加価値を加え、作品の芸術性をより高いレベルに引き上げます。
テープ・マシンがオーディオ信号に与える効果は、EQやコンプレッサーなどの単体プロセッサーのそれとは異なり、テープ・マシンを構成するセクションが相互に作用することにより生まれる独特の質感です。この質感は、音響的な意味でのダイナミクスだけではなく、聴く人の心を動かすダイナミクスにも影響します。
テープ・マシンは、私たちがDNAレベルで感じる「良い音」を実現するために、数々の音楽制作の中で改良されてきた機材といえます。
T-RackS TASCAM Tape Collectionでは、TASCAM/TEACにて歴史の中で特に人気のあるモデルを厳選、IKにて最良のアナログ・テープ・マシン4機種を入手し、当時のスペックをきちんと再現できるレベルまで丁寧に修復するところから始まりました。
IKのエンジニアリング・チームは各パーツを分解し、アナログ回路、トランスポート機構のふるまいから、ヘッドなど、各ステージの特性を分析してモデル化しました。IK Multimediaならではのモデリング技術、ダイナミック・コンヴォリューション・エンジンがフルに投入され、ソフトウェアのデザインが行われています。
テープ・マシンは入力する音声と、テープに記録した音声に微妙な違いがあります。それがまさにテープ・マシンらしさであり、魔法と呼ばれる部分に他なりません。
T-RackS TASCAM Tape Collectionは、この魔法を高度なモデリング技術を基に再現しているのです。
TASCAM PORTA ONEには、2種類のカセット・テープ(Type IとType II)が用意されています。PORTA ONEはType IIのカセット・テープに対応しており、暖かみのあるレンジの広いサウンドが得られます。また、Type Iを使用すれば、意図的にLo-Fiな音質を得ることが可能です。
T-RackS TASCAM Tape collectionの各モジュールには、以下のような共通のパラメーターが備えられています。
シグナル・パスの選択: INPUT選択時は、シグナルはユニットのインプットとアウトプット・ステージのみを通り、テープ部はバイパスされます。アナログ回路によるサウンドの色付けの度合いは、選択したテープ・マシンによって異なります。REPRO選択時、シグナルはインプット、レコーディング・アンプ、録音ヘッド、テープ、再生ヘッド、再生アンプ、アウトプット・ステージなどすべてのシグナル・パスを通過します。
True Stereo: 正確にアライメントされたテープ・マシンでも、左右のチャンネル間でレベル、周波数特性、歪みがわずかに異なることがあります。T-RackS TASCAM Tape Collectionは、実機と同じように、ヘッド、信号経路ともに左右のチャンネルを個別に処理を行うことで、この実機ならではの動作を再現します。この機能は、必要に応じてバイパスできます。
Tape Speed: テープ・スピードを、7.5/15ips、または15/30ipsから選択します。速いスピードでは高精細なサウンド、遅いスピードでは低域が強調され、暖かみのあるサウンドが得られます。
Transport Modeling: トランスポート部のふるまいを忠実に再現します。ワウ、フラッターを人工的なエフェクトとして加えるのではなく、機構そのものをモデリングすることで、左右のチャンネル間のゆらぎまで再現されます。この機能は、必要に応じてバイパスできます。
Record Bias: 理想的なバイアス設定下では、信号は最小限の歪みに抑えられ、最大の感度が得られます。意図的にバイアスを深く設定すると、より暖かみのある、緩やかなサチュレーション感が加わります。バイアスを浅く設定すると、高音域がブーストされます。