プロフェショナル・ギタリストとして活躍しているJason Saditesは、TONEX Partner Collectionのトーン・パートナーの1人です。
今回のインタービューでは、ギタリストとしての道のり、教えることへの興味、TONEX Collectionをどのようにプロデュースしたのかを聞きします。Jason SaditesのTONEXコレクションは、ToneNETのこちらにて試聴、購入可能です。
IK:TONEXマーケットプレイスに複数のコレクションを作りましたね。アンプ選びの背景は?
Jason Sadites:最初リリースしたコレクションでは、さまざまなサウンドをカバーする、クラシックのアンプを提供したかったのです。限られたジャンルではなく、幅広いジャンルに使えるトーンが目的でした。
IK:さまざまなギター・ソフトウェアを使われていますが、TONEXはどこに魅力を感じましたか?
JS:お手頃価格で、今持っているコンピューターを使って、Tone Modelをキャプチャーできるコンセプトが素晴らしいと思いました。Tone Modelのリアルさと、元のアンプにこんなそっくりなサウンドになっているのを聞いたら、TONEXに惚れてしまいました。その次にはTONEX Pedalも発売されて、ステージ上で使えるなんて…信じられないほどでした。

IK:TONEXでTone Modelを作ったときは、どのアプローチで作っていましたか?
JS:レコーディングやギターのミキシングをしてきた30年以上の経験を活かしながら、ギタリストにとって良いスタート地点を作っていくのが基本ですね。
IK:はじめてギアをキャプチャーする方へのアドバイスは?
JS:最初のステップは、高音質のマイクを手に入れることですね。高額なマイクが必要というわけではありません。自分は、リボン・マイクのナチュラルなサウンドとレスポンスは特に好きです。しかし、SM57などの比較的お手頃のマイクでも良い結果につながります。良い結果につなげるためには、マイクの位置が非常に大切です。初心者には、最適なマイクの位置を十分意識していない人が多いように思います。
IK:これからの新しいTONEXコレクションを作る予定は?
JS:ありますね。ぜひ期待してください!
IK:キャリアの始まりに戻しましょう。いつギターを始めたのですか?ギターを選んだ理由は?
JS:ギターは、1984年の10歳の時にはじめました。おばさんがクラシック・ギターを家に置いてくれて、数年間使われずにありました。その隣には、ギター奏法の入門書があって、父の励ましで入門書を通してギターの基本を覚えてきました。それを続けて、今に至りますね。
IK:初期に影響を受けた人物とその理由を教えてください。
JS:最初弾きたくなったのは、マイケル・ジャクソンのスリラーに収録された、Eddie Van Halenのギターソロでした。当時は、彼が何をしているのか理解することすらできなかったが、あのソロには私の心に響く何かがありましたね。
その直後は、初めてギター雑誌を買いました。記憶に間違いなければ、Guitar Playerの1985年2月号で、Al Di Meolaが表紙に乗っていました。当時は、雑誌に「Soundpage」といレコードが入っていました。そのレコードには、Alが音階の一部を弾いているところで、あんなにテンポよく、スムーズに弾けるなんて圧倒されました。Alの速さを狙って、どれだけの時間を費やしたかわからないほどです。
IK:ベストとワーストのライブは?
JS:この数年にわたって、ライブがたくさんあったのでどれ一つを選ぶのは難しいですね。印象に残ったのは、いつものギタリストに代わって、「アメリカズ・ゴット・タレント」の決勝に進出したFernando Varelaという歌手のテレビ出演です。1週間前くらいは番組のスケジュールや詳細をもらって、クリック・トラックに合わせて数曲を演奏する予定でした。当日は、午後1時にバンド・メンバーと会って、4時くらいまではリハーサル、本番は7:30からでした。6時間しか会っていないメンバーと、クリック・トラックに合わせてボヘミアンラプソディーの演奏は一番プレッシャーを感じましたね。無事終わって、楽しかったですね。
ワーストのライブと言われたら、特に記憶にはないですね。まあ、いいことです!
IK:人生の中では、音楽をキャリアにしたいと思った瞬間はありましたか?
JS:16歳のときに、レコードやギアを買うためのお金稼ぎに、ギター教師をし始めました。それが数年も続き、常に60~70人の生徒を教えていました。若いときから教えてきたからこそ、音楽を仕事にできることに気づいて、教えるだけでなく、ライブやプロデュース、作曲などに分野を広げることになりました。
IK:ギターを始めたばかりの人へのアドバイスはありますか?
JS:ギター・トーンの調整方法のビデオを多数公開している人からすると少し違和感があるかもしれませんが、ギター初心者へのアドバスとしては、ギアにこだわりすぎないでほしいです。高額のギアがあっても、上手になるとは限りません。ギアの種類がありすぎて最高なギアを探すのに時間をかけるよりは、実際に弾いて、練習して成長した方が絶対いいと思います。耳に痛い回答かもしれませんが。
IK:所有しているお気に入りの3本のギターとその理由を教えてください。
JS:Vigier Guitarsをエンドースしていて、コレクションには何本もあります。弾いた中では、一番出来の良い楽器とも言えます。ストライトキャスター風のVigier Expertは一番気に入っていますね。Vigier G.V.Wood Hollowも好きです。後は、とてもゴージャスなColling OM2Hのアコースティック・ギターもいいですね。かなりたくさんのギターを持っていますので、お気に入りはその3本になると思いますが、日や気分によってコロコロ変わりますね。
IK:無人島に持っていくリグは?アンプ、キャビネット、ギターをそれぞれ1つと、3つのペダルまで選んでください。
JS:なんてひどい質問でしょう(笑)。アンプは、Budda Superdrive SD30 series 1と、Budda Phatのキャビネットとの組み合わせです。親友でアンプ技術者のJeff Boberは、Buddaのアンプの裏になっていますが、本当に素晴らしいアンプなんですよ。ギターは、Vigier Expertですね。ペダルは、IKのX-TIME、X-SPACE、X-VIBEです。その3つがあれば、どのエフェクトでも作れます。
IK:ギター・アンプには、何を求めますか?
JS:先ほど言ったBudda Superdrive 30ですが、柔軟性の高さですね。キーンとするクリーン・サウンドから、ザラザラした音、ヘビーなトーンまで作られます。そこで柔軟性は一番大事ですが、アンプ1つはどの場面をカバーするわけではないので、無人島の質問に戻って、アンプ1つしか持てない、非常にずるい、考えられない状況です。まあ、一つのアンプに絞るなら、できるだけ多くのトーンをカバーできるアンプが理想ですが、それよりもさまざまな「味」のアンプのセレクションが欲しいところです。
IK:ギアはどれくらい重要ですか?
JS:ギアはもちろん、ある程度重要ですが、先ほど言ったように、ギアの種類が多くて、ギアを探したり試したりするのに時間をかけすぎてしまって、練習に時間をかけないのをよく見かけます。最強なギアを探すよりは、今持っているギアを活かせばいいと思います。もちろん、最終目的に必要な最低限のギアが必要になりますが、それさえあれば、ギアに気を取られすぎず、練習に向けることが大事です。
IK:YouTubeチャンネルに1,000本以上のビデオがありますね。YouTubeを始めたきっかけは?
JS:実は、いまの状態を目指したわけではありません。最初は、スキルの成長を目標にして、自分の気に入りのギターソロのカバーを投稿していました。そのカバーが注目されるようになり、ギターのトーンをどうやって作ったのかなど、かなりの量のメッセージをもらうことになりました。それが、トーンの作り方についてのビデオの投稿のきっかけとなりました。
IK:YouTubeチャンネルでは、ギアの解説ビデオは結構ありますね。ギアの使い方を視聴者に伝える情熱はどこから?
JS:さっき言ったように、視聴者からの質問がとても多かったからです。元々は、解説ビデオの必要性はあんまりないと感じていましたが、何千人からの要望をいただいて、やっぱり必要性はあるんだと気づきました。問題の解決に役に立ったとか、ギアの可能性を広げたというコメントを見ると、うれしいですね。
ギアの使い方への情熱がどこからできたかわかりませんが、小さいときからは、本当に好きでしたね。父から初めての4トラック・レコーダーをもらったときは結構小さいときだったので、そのきっかけでレコーディングやトーンの作り方の道を広げました。
IK:YouTubeのビデオ以外では、音楽関係の何かのプロジェクトに手をかけていますか?
JS:現時点では、ギター・ミュージックを収録した7枚のソロ・アルバムを出しています。その中では、Marco Minnemann、Tony Levin、Bryan Beller、Gregg & Matt Bissonette、Kenny Aronoff、Ric Fierabracciなどの素晴らしいミュージシャンと協力する機会がありました。その多くのミュージシャンとは仲が良く、将来でもコラボレーションしたいと思います。しかし、次のソロ・アルバムの作曲も始めたいところですが、なかなか時間が作れなくて。作りたい気持ちはありますが、いつになるかわかりませんね。それ以外では、セッションやライブによく出ています。
IK:ギターのギアは、これからどう展開すると思いますか?何か予想はありますか?
JS:答えにはなっていないもしれませんが、あんまり考えないようにしています。今あるギアを活用して、音楽を作る道具だという事実を忘れてはいけないと思います。しかし、自分の作品に使えそうな新しいギアが出るとわくわくするのは確かです。
Jason Saditesの作品については、以下をご確認ください。