マルチバンド・プロセッシングとは、オーディオ・データの周波数スペクトルを複数の帯域に分割し、帯域ごとに独立した処理を行うという、高度かつパワフルなオーディオ・データ処理のテクニックです。このマルチバンド処理においては、帯域と帯域のクロスオーバー付近が不自然なサウンドにならないように処理を行うためには、帯域と帯域を分割するためのフィルターの特性がとても重要となってきます。
Quad Compは、その名が示す通り、それぞれが処理する周波数帯域を自由に設定可能な、4つのOptoタイプ・コンプレッサーを内蔵したマルチバンド・プロセッサーです。
4つのコンプレッサーには、それぞれの帯域ごとに最良の処理を行うための、フル・スペックのコンプレッション機能が装備されています。
柔軟性に優れたこのプロセッサーでは、周波数帯域を分割するためのカットオフ・フィルターのスロープが設定可能です。クロスオーバーをより広く設定したい時には、6dB / Oct、または帯域ごとにより独立して処理を行う場合には、24dB / Octのスロープが設定可能です。
フィルターのカットオフを急なスロープに設定したとしても、処理の結果として、常に自然でかつ音楽的なサウンドが得られます。この高品位なフィルターのおかげで、帯域ごとに独立したコンプレッション処理を行ったとしても、位相の問題を最小限に抑えることができるのです。
各帯域のコンプレションは、設定された帯域のピークがThresholdパラメータの設定値を越えた時に処理されます。4つの帯域ごとに、コンプレションのRatioとAttackやReleaseといった時定数のパラメータを設定できますから、自由度の高い処理を正確に行うことができます。Soloボタンをクリックすると、選択された帯域だけを取り出して、その処理結果を試聴することもできるのです。
このプロセッサーに装備されているコンプレッサーはOptoタイプですから、自然で滑らかなサウンドが得られます。ThresholdとRatioパラメータを極端に設定することで、よりアグレッシヴな効果を得ることもできます。